昭和二十一年六月『楡』が創刊された。多磨札幌支部を発展的に解消し芥子澤新之介を主宰者として、大平忠雄、本間武司、三本政巳、瀬川吉三郎らが参加。芥子澤は創刊号に「戦時中、歌を忘れ詩を失ひ徒らな喧騒に節操を失つた我々の過去を反省し(中略)詩歌の真実なる在り方を明らかに」したいと書いた。二十三年十月、二九号で廃刊。『羊蹄』は二十一年九月の創刊。道内アララギ会員のあいだから歌誌刊行の気運が高まり土屋文明の示唆もあって実現した。編集兼発行人は小森汎、加入者の主だった作者は桜田角郎、小国孝徳、前川正、樋口賢治などである。樋口の東京転出により二十四年十月廃刊となった。