昭和二十七年六月、粕谷草衣が北海タイムス俳壇の中堅作家を対象に五十嵐久一、中村還一の賛助を得て札幌から『野火』を創刊した。第六号以後は細谷源二が指導者として参画し誌名を『餐灯』と改めた。この時点では『氷原帯』傍系誌の色彩が強かったが、三十年一月『獅子座』と改め村瀬晋が編集人となり、同人誌友の句作意欲を助長するため獅子座賞を設定し、粕谷信子、中村耕人、山沢壮彦、木村青夢などが受賞した。『獅子座』は三十二年十二月まで六一冊を出した。『楡派』は三十年に斎藤玄が土岐錬太郎らに諮って創刊された。創刊同人は土岐、斎藤のほか平石幸一郎、石黒白萩、金谷信夫、槙虹男、西塔伝、高橋貞俊、寺田京子の九人。三十四年まで八冊を刊行した。