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広がる演劇熱

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 札幌における戦後の演劇は、先に見たとおり、五條彰をはじめとする戦前からの演劇人による新たな劇団活動がまず口火を切り、同時に労働組合運動を基盤とする職場演劇、学生による演劇が交錯して急激な盛り上がりを見せる。以下に項目を立てて概略を跡付けるが、こうした熱気は広く波及し、女学校や各地の結核等療養所などで行われた演劇活動が、思い出話として報告されている。また戦後、ソ連に抑留され帰還したひとからは、仲間とともに演劇をつくることが生命の糧であった体験を聞いている。