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コミュニティ行政の推進

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 昭和四十六年九月六日、板垣市長は市議会第四回臨時会で区制を定める「札幌市区の設置に関する条例」の提案説明の中で、「区制移行に伴い、町内会等地域住民組織の果たす役割に大きく期待したい」として「適切な協力」を講じること、現出張所建物は地域のセンターとし、「市政と市民を結ぶパイプ」としての機能をもたせると述べた(十三期小史)。板垣は、機能的都市づくりは重要だが、先進大都市に見られる「人間砂漠」が札幌市にも出現することを懸念し、市民の「ふるさと志向」をよみがえらせることによって「人情都市」の創出をめざしていた(思い出すまま)。そのためには活発なコミュニティ活動を推進する必要があり、地域住民組織をはじめ、各種市民グループ活動を支援し、近隣住区、地区、地域の三段階からなる地域づくりや区民センターをはじめとするコミュニティ施設の整備を積極的に進めることを目標とした。
 板垣市長は、そのために町内会、PTA、婦人会、青少年育成協議会、交通事故防止母の会などの住民団体を育成、強化しようとした(思い出すまま)。民生委員協議会、青少年育成委員会、連合町内会・単位町内会、衛生協力会、交通安全運動推進委員会、統計調査員協議会、社会福祉協議会、防犯協会、老人クラブ、日赤奉仕団、保護司会、婦人会、子供会、児童公園管理委員会、市民憲章推進運動実践会、スポーツ振興会などが地区会館の使用料金を無料とされたことは(区勢概要 昭49)、こうした地域社会の組織化と安定に貢献する団体を育成しようとしたことを示している。
 コミュニティ施設としては、地域住民の生活文化・教養の向上とコミュニティ活動の助長を図る区民センターやコミュニティセンターが設置され、昭和六十年代からは地区のコミュニティ活動の拠点となる地区センターの設置が開始された(札幌市の区勢 平14)。