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第三次長総第一次五年計画

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 第三次長総と同時に、第一次五年計画が策定され、昭和六十三年四月から実施された。都市空間、交通計画、産業振興、生活環境、生涯教育、生涯福祉、市民交流の七部門の計画が立てられ、また初めて区計画も作成された。総事業費は一兆四八九〇億円(前計画比一〇八・八パーセント)であった(第三次札幌市長期総合計画札幌市五年計画)。
 この五年計画は、第三次長総の各種施策のうち、実施に移すべき施策を「選択」し、「財政面からの検討」を加えて重点化したものであり、今後五年間の「効率的な行財政運営のための指針」となるものとその性格が説明されている。しかし、事業選択にあたって重点とされたのは、「公共事業の積極的な推進」であった。六十二年五月、政府は緊急経済対策を閣議決定して、五年間続いた緊縮財政路線を内需拡大・積極財政路線に転換しており、地方自治体にも公共事業の積極的な実施が求められた。札幌市も効率的な行政運営や民間活力の活用を唱えつつ、結局公共事業の推進に重点をおいた計画を策定したのであった。