表-5 北海道における札幌の比率 | (単位:%) |
人口 | 道(市)内総支出 | 民間最終消費支出 | 道(市)内総資本形成 | 銀行預金 | 銀行貸出金 | 手形交換高 | 製造品出荷額 | 建築着工面積 | 卸売年間販売額 | 小売年間販売額 | |
昭47 | 21.1 | 25.4 | 23.8 | 26.1 | 46.1 | 52.7 | 62.6 | 15.0 | 31.7 | 54.7 | 23.7 |
49 | 22.7 | 25.2 | 25.2 | 21.9 | 46.2 | 54.0 | 65.1 | 13.5 | 27.2 | 56.9 | 24.9 |
51 | 23.6 | 26.6 | 26.2 | 22.3 | 47.6 | 53.8 | 61.6 | 12.3 | 28.1 | 56.5 | 25.6 |
54 | 24.7 | 27.7 | 26.8 | 21.5 | 48.7 | 53.7 | 60.5 | 12.8 | 27.2 | 57.2 | 27.3 |
57 | 26.0 | 30.4 | 28.0 | 25.4 | 48.2 | 54.6 | 64.1 | 12.0 | 30.7 | 59.2 | 27.7 |
60 | 27.2 | 32.3 | 29.7 | 29.2 | 49.0 | 58.5 | 65.3 | 12.5 | 33.9 | 59.8 | 27.7 |
63 | 28.6 | 33.7 | 32.4 | 33.5 | 49.5 | 59.7 | 68.1 | 14.4 | 38.8 | 58.8 | 31.2 |
平 3 | 30.0 | 35.9 | 33.8 | 35.9 | 54.0 | 62.7 | 70.0 | 14.3 | 31.7 | 60.1 | 33.2 |
6 | 30.7 | 35.1 | 28.8 | 25.8 | 53.8 | 67.4 | 68.4 | 13.1 | 34.9 | 58.0 | 32.6 |
9 | 31.4 | 35.7 | 29.5 | 26.8 | 57.3 | 67.4 | 68.9 | 12.3 | 29.4 | 55.7 | 33.2 |
北海道財務局『北海道財政経済統計年報』各年、北海道『北海道統計書』各年 札幌市『市民所得推計結果報告書』各年度、札幌市『札幌市統計書』各年 |
他方、銀行預金、銀行貸出金は、この期間に上昇傾向をみせている。政令指定都市移行時と平成九年では一二~一四ポイント比率が高まっているが、人口比率がやはり一〇ポイント高まっていることから、人口増加に比例して上昇したと考えることができよう。道(市)内総支出、小売年間販売額も同様に比率が上昇を続けた。
人口比率の上昇と一致しないものに民間最終消費支出と道(市)内総資本形成、製造品出荷額、建築着工面積がある。このうち民間最終消費支出と道(市)内総資本形成は、それぞれ平成四年、二年にピークまで上昇し、以後低下する。バブル経済の時期に札幌の集中度が高まり、バブル崩壊後とともに集中度が下がったものと思われる。製造品出荷額は昭和五十年前後にいったん低下した後、バブル期に上昇し、バブル崩壊後、ふたたび低下する。工場の郊外移転などの影響もあるだろう。建築着工面積は、四十八年に最大の集中度を示すが、これはドル・ショック後の景気過熱期に札幌の建設ラッシュが生じたことを反映している。札幌オリンピック後に建築の集中度がいっそう高まることに注目したい。建築比率は、その後低下し、六十年以降、ふたたび上昇し六十二年がピークで、バブル崩壊後に低下する。このようにバブル経済の時期に集中度が高まったものは、バブル崩壊後に集中度が低下する傾向を示しているのである。
しばしば「札幌の一極集中」が問題とされるが、すべての指標において集中が進むのではなく、高い集中度を示したまま停滞する指標(手形交換高、卸売年間販売額)、人口の集中にほぼ比例して集中度が高まる指標(道(市)内総生産、銀行預金・貸出金、小売年間販売額)、人口が集中しているにもかかわらず、バブル崩壊後に集中度が低下する指標(民間最終消費支出、製造品出荷額、建築着工面積)の三パターンがあることがわかった。