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南北線工事

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 札幌市内で行われた土木工事として代表的なものは地下鉄工事である。昭和四十六年十二月開業、五十三年三月延長部(北二四条~麻生間)開業の南北線について、請負業者をまとめたものが表33である。最初の地下部分である北二四条~平岸間(表では第一工区から第一三工区)については市史5上でもふれているが、地崎工業、伊藤組土建以外はすべて本州大手建設会社であった。ところが、霊園以南の高架部分になると、北海道PSコンクリート北炭建設勇建設山田組石山組北拓建設(後に新太平洋建設と改称)、岩田建設、田中組といった地元企業の名が多数みられるのである。また、五年後に行われた延長部分の工事では、ほとんどの工区がJVであり、そのなかに岩倉組土建中山組の名がみえる。この二社は、札幌に本社を置いていなかったために表25の一〇〇社に含まれていなかったが、後に札幌に本社を移すことになるので、ここで簡単にふれておこう。
表-33 地下鉄南北線工事概要
工区竣工時請負業者
第1工区昭46. 9.20藤田組
第2工区 46. 6.30地崎組*
第3工区 46. 5.31西松建設
第4工区 46.10.31前田建設
第5工区 46. 9.―鉄建・伊藤*JV
第6工区 47. 6.30大林組
第7工区 47. 1.31鹿島建設
第8工区 47. 1.31佐藤工業
第9工区 46. 9.30飛島建設
第10工区 46. 8.12清水建設
第11工区 46.11.15熊谷組
第12工区 46. 9.18錢高組
第13工区 46.10.15大成建設
霊園(上・下部) 46. 7.20東急建設
霊園南(上・下部) 46. 8.15北海道PSコンクリート*・北炭建設*JV
澄川北南(上部) 46. 7.27オリエンタル
澄川北南(下部) 46. 4.30勇*・山田*JV
澄川(上・下部) 46. 6.30北海道PSコンクリート*、石山組*
澄川南(上部) 46. 7.20日本高圧コンクリート
教習線その1 45. 3.28丸紅飯田
教習線その2 45. 7.20丸紅飯田
教習線その3 45.10.30丸紅飯田
教習線その4 45.11. 6北拓建設*
教習線その5 45. 9.20岩田建設*
教習線その6 46. 6.23丸紅飯田
自衛隊前駅 46. 8.31田中組*
真駒内留置線
<延長部分>
 52.12.13丸紅飯田
第1工区 51. 8.31日本国土開発・岩倉*JV
第2工区 52. 7.31大豊・北野JV
第3工区 52. 7.31五洋・中山*JV
第4工区 52. 8.31東急建設
第5工区 52. 7.31日産・扶桑JV
『札幌地下鉄建設物語』
1 第1工区は北24条に該当し、以下北から南へ配列してある。延長部分の第1工区は北24条北側で、以下南から北へ配列されている。
2 教習線は、澄川以南の区間に該当する。
3 *がついている企業は札幌に本社を置く地元企業。

 岩倉組土建(本社・苫小牧)は、五十二年当時の資本金一億五〇〇〇万円で、本節の分類では大規模企業、資本金順で六位の北炭建設の次に位置する。地下鉄工事は、南北線延長では北二五条~北三〇条間を担当しており、五十九年一月には札幌に本社を移し、六十四年一月社名を岩倉建設と改めている(岩倉組土建社史編集室 岩倉組土建二十五年史 昭60、岩倉建設ホームページhttp://www.net-ic.co.jp/平16)。中山組(本社・滝川)は、五十二年の資本金は三億円なので、資本金順で四位の丸彦渡辺建設と並ぶ位置にある。南北線延長工事では北三四条~北三八条を担当しており、五十六年四月、札幌に本社を移している(中山組社史編纂委員会 中山組70年史 平8)。