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従業者数からみた傾向

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 次に図3で従業者数をみると、事業所数では突出していた生活関連がさほど高くなく、一事業所あたりの従業者規模が小さいことがみてとれる。逆に、事業所数では昭和四十七年以降横ばい傾向にあった趣味・娯楽関連が、従業者数では五十六年以降に増加しており、従業者規模が拡大したことをうかがわせる。五十年代なかば以降、新機種の登場によってパチンコ業界は成長し、かたや衰退傾向にあった映画館やゲームセンターは経営の多角化によって経営の建て直しを図った。従業者規模の拡大はこうした娯楽施設の規模の増大を反映していると思われる。

図-3 サービス業従業者数 『札幌市統計書』より作成。

 事業所関連は五十年から五十三年にかけて減少しているが、順位では二十九年の最下位から平成八年には一位に浮上しており、最大の成長を示したといえる。これとならんで大きく成長したのが医療・衛生・福祉関連であるが、事業所数でもみたように、他の分野が減少する八年以降も増えていることに注目したい。この分野は高齢化や核家族化、福祉社会実現への要求の高まりによって成長し、民間業者の医療・福祉関連分野への進出を背景に躍進をとげた。