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「国際会議観光都市」の認定

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 札幌市の観光入り込みは国内外の観光客と修学旅行生のほかに、学会・大会等で訪れる用務観光にも支えられている。とりわけ気候の良い初夏から秋にかけて全国大会が集中していたが(市史5上)、国際会議の開催件数も次第に増え(表27)、平成六年十月二十日付けで札幌市は運輸省から「国際会議観光都市」の認定を受けた。
    表-27 各種大会の開催状況(単位:件)
年度総数国際大会全国大会全道大会年度総数国際大会全国大会全道大会
昭4746297365 62680159521
 48490124366 63599128471
 49514103411平 166930150489
 50509103406  269534151510
 51603157446  376145170546
 52629123506  455639138379
 53608146462  557247145380
 54592144448  673244151537
 55776180596  783261145626
 56699139560  876555167543
 57598160438  9855114237504
 58579136443 10727105164458
 59765146619 1183585188562
 60801187614 1280477210517
 61645139506
『札幌の観光』より作成。
昭63年度以前の「国際大会」は「全国大会」に含まれる。

 昭和六十二年十二月に二〇〇〇人を収容するホールを併設したグリーンホテル札幌(南区川沿 北海道振興)、平成三年九月に外資系のラマダ・ルネッサンス・ホテル・サッポロ(豊平区 翌4・12サッポロ・ルネッサンス・ホテルと改称)、翌四年七月には二二〇〇人が収容可能のホールとヘリポートを設けたロイトン札幌(北一西一一)と、会議場機能を充実させた大型ホテルが開業した。十一年三月には札幌プリンスホテルが国際会議にも対応できる宴会専用棟・国際館パミールを新設している(道新 平11・3・11)。
 またアメリカ、オーストラリア、オランダ等を結ぶ航空路線が開設されるとともに、韓国、香港、中国、台等アジア各国との航空路線も充実した。八年北海道は東アジアからの観光客を増やそうと、東アジアで北海道観光に関するセミナーを開くなどの誘致に乗りだし(道新 平8・2・21)、道と北海道観光連盟等も「北海道観光プロモーション協議会」を発足させ、台、香港、韓国、シンガポールでのキャンペーンを開始した(道新 平10・10・4)。
 東南アジアでは雪の降る北海道への関心が高まったが、とりわけ台での北海道人気は根強く、十一年八月には道内の月刊旅行誌を発行するリクルート北海道じゃらんが現地出版社と提携して、台で北海道のガイドブックを発行することになった(道新 平11・5・12)。札幌市に宿泊した外国人観光客は十年度は前年に比べて七割増となり(表28)、国や地域別では台客が全体の四三・九パーセントと最も多く、次いで香港(一三・一パーセント)、アメリカ(一〇・二パーセント)、韓国(三・七パーセント)、中国(二・七パーセント)の順となっている(札幌の観光 平成十一年度版)。
     表-28 外国人の宿泊状況(単位:人)
年度市内定山渓
総数宿泊
実人員
宿泊
延人員
宿泊しない者総数宿泊
実人員
宿泊
延人員
宿泊しない者
昭4810,9596,1678,8812,0781,7501,7501,7500
 499,8415,0837,5962,2451,6761,6651,66511
 5010,1075,2758,2911,8161,5251,4691,47054
 517,8524,5946,8579951,2811,2601,26417
 529,5956,3878,8197761521,4611,46160
 537,0813,9696,499582854854854854
 547,8934,1687,241652
 5516,41410,99215,632782
 5618,22912,64917,411818
 5722,92215,31422,068854
『札幌の観光』より作成。
総数は宿泊延人員と宿泊しない者の合計。
 
年度宿泊延べ人員全市宿泊
実人員
全市市内定山渓
平 172,04369,8232,22042,378
  282,95980,6922,26743,663
  386,30283,3862,91639,228
  493,18291,2131,96956,317
  590,20588,7181,48755,286
  678,88178,09778446,149
  774,34273,2741,06834,698
  881,20780,41179650,545
  993,77190,0073,76467,528
 10158,529148,25110,278121,577
 11201,698170,06031,638162,783
 12223,046186,91736,129180,069
『札幌の観光』より作成。

 五年度の道内の観光消費額は総額で一兆四六四億円に上り(道新 平7・11・8)、札幌市の観光産業経済効果調査でも、交通、買い物、外食等を含む観光関連産業が「最大の産業」であることが裏付けられた(道新 平7・11・19)。観光が他の産業にもたらす経済波及効果も期待されるなかで、さらなる観光活性化のカギは情報通信技術の活用にあるとして、市の観光情報を各国語で紹介したインターネットサイトを開設するなど、新たな振興策も始まっている(道新 平12・12・5)。