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自動車電話から携帯電話へ

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 道内の携帯・自動車電話市場は、昭和五十七年に日本電電公社がサービスを始めてから同社の独占が続いていた。契約台数では、平成三年に携帯電話が先発の自動車電話を追い越してからというもの、携帯電話が急成長をとげていく(道新 平3・3・30夕)。
 前述のように、昭和六十一年七月移動体通信事業が自由化されたことによって、平成二年八月北海道セルラーが携帯・自動車電話サービスに参入した。同社はNTT北海道支社よりも安い料金を設定したことから、開業からわずか一カ月足らずで契約台数がNTT道支社の半分近くに達するというすさまじい追い上げをみせた。また同社は超小型の携帯電話を使えるようにしたことから、開業時から契約台数の七割を携帯電話が占めた(道新 平2・9・5)。十二年十一月北海道を含む全国セルラー七社が合併してauが発足、同社はau北海道支社となり、さらに十三年十月にはKDDIがauを吸収合併したのにともないKDDI・au北海道支社となった。
 八年十二月二十日デジタルツーカー北海道が営業を始めたことから道内の携帯・自動車電話は三社体制となり、低料金競争はさらに過熱する。九年八月末の道内の携帯・自動車電話の契約件数は一〇〇万台を突破、三社の内訳はNTTドコモ北海道が六二万二〇〇〇台、北海道セルラーが二二万四〇〇〇台、デジタルツーカー北海道が一六万六〇〇〇台と、ドコモ北海道の独走が続いた(道新 平9・9・10)。
 十一年二月ドコモ北海道は携帯電話によるインターネット接続サービス「iモード」を開始するが、これがヒット商品となり同社は業績をさらに伸ばしていく。これに続いて北海道セルラーも同年十一月にEZ(イージー)ウェブを開始、デジタルツーカー北海道(平11・10 J-フォン北海道と社名変更)も十二年四月ジェイスカイで対抗した(道新 平12・3・31)。こうしたネット対応サービスの開始は新たにコンテンツ(情報の内容)の充実というソフトをめぐる競争をもたらし、携帯電話市場の競争は一層熾烈になった(道新 平11・5・28夕)。