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予防接種法などの改正

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 昭和五十一年六月、予防接種法が改正された。札幌市では同法に基づき、予防接種の対象から、腸チフス・パラチフス・発疹チフスを除外し、定期的接種には乳幼児期に三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)、二種混合(ジフテリア・破傷風)、急性灰白髄炎(ポリオ)、麻疹、また、風疹は妊婦が感染すると胎児に障がいが現れる率が高いことから、満年齢一四歳から一五歳の女子を対象に予防接種を行った。ほかに、希望者には任意(法定外)による破傷風や、本州方面への旅行者には日本脳炎の予防接種を平成六年度まで行った(衛生局事業概要 平6年度)。
 昭和五十一年の予防接種法の改正では、あわせて予防接種による健康被害の救済制度も実施され、医療費や医療手当の支給、障がいを有する一八歳未満の者を養育する場合は障害児養育年金や障害年金など、従来の行政救済措置が恒久的な救済制度として確立された。また、伝染病予防法(明30・4・1)は種々の感染症予防に貢献してきたが、個人に対する監視、束縛が極めて強いものであった。医学等の進歩に伴い患者個人の束縛から地域的、全国的な監視体制を設け感染症の動向を把握することでその伝播を防ぐ「感染症サーベイランス」事業が開始された(厚生省五十年史)。札幌市も患者の発生状況、病原体の検索など流行の実態を早い時期に、また的確に把握し予防措置をとることとし、六十二年一月から結核と感染症のサーベイランス事業を開始した。