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市医師会の活動と夜間急病センター

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 夜間急病センターは、夜間の内科系急患の受け入れ体制が確立されておらず、患者の「たらい回し」を避けるため、昭和四十七年(一九七二)一月に市医師会が市医師会館内に開設し、内科、小児科(午後七時から午前七時)に耳鼻科(午後七時から午後一一時)を追加し、患者を年中無休で受け入れ、三科目で運営してきた。受診者数は四十七年に年間約三万人であったが、四十九年には表26のように一日あたり一四一人・年間約五万人、最も多い平成七年は一七一人・年間六万二〇〇〇人となった。十三年は減少したが一四一人・五万人が受診するなど、夜の急病人の命綱の役割を果たしてきた。当番医師も会員の高齢化が進んだため、二交代制や土、日曜日の増員など少しずつ体制を強化してきた(道新 昭56・11・21)。設備の不備などから重症患者や専門医の診療を必要とする患者に対して、二次救急医療の必要性が課題となったが、五十二年度から病院群輪番制度や当直医の診療協定などにより整備が図られ、さらに五十八年の市立札幌病院救急医療部の発足により解消された。
表-26 夜間急病センター1日あたり受診者数
(単位:人)
年次総数
(1日あたり)
内科小児科その他
昭4914159811
 5215977793
 5516780825
 5816683749
 61151776212
平 1163855522
  4162895024
  7171965224
 10146814323
 13141774321
札幌市医師会夜間急病センター統計」(『市政概要』各年)より作成。

 その後、札幌市は市医師会館の老朽化が著しいため、夜間急病センターを隣接の札幌技能訓練会館跡地(大通西一九丁目)に平成十六年度に移転する計画を「新五年計画」に盛り込み(道新 平12・7・11)、十六年四月に新築・移転し、診療は従来の三科目に眼科(午後七時~午後一一時)を追加し、駐車場の確保やCTスキャナーなども導入して夜間の急病に対応している。