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福祉行政の機構と姿勢

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 札幌市の福祉行政は、昭和四十七年(一九七二)の政令都市指定当初は厚生局で、五十八年度から民生局、平成十年(一九九八)度からは保健福祉局の事務分掌となった。四十八年の厚生局の場合、社会部、福祉部、青少年部、公衆衛生部の四部と児童相談所、五保健所、衛生研究所から構成されており、当時の社会保障制度の体系とされた(1)公的扶助、(2)社会福祉、(3)公衆衛生医療、(4)社会保険、(5)年金についてそれぞれを含むとする考え方に立った機構構成であった。これらの部において、具体的施策の計画、決定、各実務機関において施策の実現を図った。その施策は「札幌市長期総合計画」にのっとった「新しい時代に対応した生活都市」の実現であり、「豊かな人間社会」への一翼を担うものとされた(厚生事業の概要 昭48)。五十八年度からの民生局時代当初は、社会部、福祉部、保育部の三部と児童相談所で構成されており、「新札幌市長期総合計画」にのっとり、「社会的に弱い立場にある人々が、その状態を克服できるよう生涯にわたって一貫した条件整備を図る」、「従来からの施設整備に重点をおくと共に、地域社会における在宅サービスの充実を図るため、市民の協力と自主的な奉仕によるコミュニティ・ケアの推進」の二点を基本方針とし、福祉施策の具体化に取り組んだ(民生事業概要 昭58)。六十一年度からは、時代の変化によって、保険医療部を加えた構成となり、平成元年度からは、高齢化対策部を加えた六部構成となった。すでに六十三年度からの第三次札幌市長期総合計画に基づく札幌市五年計画がスタート、①市民意識や社会情勢の変化に対応して福祉ニーズを的確に把握すること、②社会参加と連帯の精神に支えられた地域福祉を推進し、ノーマライゼーション思想の一層の普及を図る、③保健・医療、教育、労働等、福祉関連分野と連携を深め、総合的な福祉向上の体制を整備する、の三点を基本目標とし、福祉施策の具体化が目指された(民生事業概要 平1)。