平成七年六月、北海道町村会主催による「地方自治土曜講座」が北海道大学文系講堂で開設された。参加者は全道各地から駆けつけた町村自治体職員、約三六〇人にのぼり、以後、毎年、夏季・秋期に月一回のペースで開かれ、一時期一五二町村から八七〇人の参加者に達したこともあったが、その後は三百数十人程度に制限して目下継続中である。
その内容も地域が主体となって進めるまちづくりとその中で果たす自治体職員の役割を広く、しかも深く学ぶという姿勢に立って、課題を現場から持ち寄り現場で活かすことに徹し、第一線で活躍中の研究者、民間経営者、ジャーナリスト、自治体首長など、地方自治に深い識見と経験を持つ講師陣もそれに応えるべく、毎回の講義内容はブックレットとして続刊中である。地方自治体のなかでも町村自治体職員が主体となって進めているこの講座が札幌市を拠点として地の利を活かして展開しており、さらに札幌道央圏以外の地域にも波及しつつあることは、一極集中と広域化を両立させた生涯学習の展開として注目されよう。