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キリスト教界の教勢と新たな構図

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 昭和四十五年(一九七〇)から平成十五年(二〇〇三)まで、日本のキリスト教徒は、八一万八八三三人から一一二万九一五七人に増加した。もっとも日本の総人口に対する割合は、それぞれ〇・七九九パーセント、〇・八八七パーセントであって、一パーセントに満たない数で推移している。二〇〇二年に新たに洗礼を受けたのは一万五九三六人で、日曜朝礼拝出席者の一回平均は三〇万人強であった。
 戦後、プロテスタントの中でその主たる部分を占めてきたのは、NCCに加盟している日本基督教団日本聖公会日本バプテスト連盟、日本福音ルーテル教会、それにNCCに加盟はしていないが一部の活動に参加している日本キリスト教会などであった。NCCは、世界教会協議会(WCC)に加盟し、エキュメニカル運動を担ってきた。
 他方、四十三年に結成し、六十一年に改組改編したJEAは、聖書の無謬性を「信仰基準」として、三二団体(どの教団にも属さない単立の教会を含む)によって発足した。平成六年(一九九四)、JEAに加盟する諸教団などは、「ビリー・グラハム東京国際大会」を開催する主体となり、延べ一三万人の集会を開催するなど教勢を伸展させ、NCC加盟の諸教団を超えるまでになったといわれている。また、JEAとは別に、その前年、延べ一一万七〇〇〇人の集会となった「全日本リバイバル甲子園ミッション」の開催を担った教団の中から、リバイバルミッションの運動が起こり、これを契機として同八年には日本リバイバル同盟(NRA)が発足した。とくにここでは聖霊体験や病気の治癒を重視するカリスマ運動が主張された。カリスマ運動は、カトリックを含む既存の教団の一部の教会にも浸透し、「聖霊による刷新」をめざしている。札幌でも北斗チャペルキリスト教会などの教会史やホームページで、カリスマ信仰の立場が強調されている記事を見るほか、カトリックでは「聖霊による刷新北海道大会」にその一端がうかがえる。