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教会設立の動向

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 教会数の増加を見ると、まず戦前来、札幌進出を果たした諸教団による教会数の拡大がある。たとえば七〇年代前半(昭和四十五~四十九)に限ってみても、カトリックが小野幌に、日本キリスト教会が白石、発寒に教会を開設し、また札幌バプテスト教会も所属教会員を株分け(分離独立)し、西野に教会を設けた。この傾向は七〇年代後半(昭和五十~)以降も続き、カトリック日本基督教団日本キリスト教会、聖公会、日本福音ルーテル教会が、篠路太平、手稲、東月寒、新札幌、さらに札幌に隣接する現在の北広島市・石狩市など札幌周辺部に教会を設立した。
 しかし、七〇年代以降(昭和四十五~)に教会の設立が顕著となるのは、日本福音キリスト教会連合の教会であろう。同連合は、道内に拠点を置いた北海道福音教会協議会など四団体によって平成四年(一九九二)に結成されたもので、日本福音同盟(JEA)加盟の教団である。北海道福音教会協議会は、超教派の伝道団体である国際福音宣教会(OMF)が主として設立した教会の連合体であった。OMFでは、外国人宣教師によって教会を設立し、これが確立した後は日本人に委ねていく方針をとっており、七〇年代以降も札幌国際、平岡福音、八軒、札苗ライトハウスの各教会を設立した。また、すでに設立されていた札幌東キリスト教会(現、札幌聖書キリスト教会)、札幌西福音キリスト教会などが厚別福音キリスト教会、手稲福音キリスト教会など新たな教会を生み出した。とくに札幌聖書キリスト教会、手稲福音キリスト教会などのようにセル(細胞)グループ、あるいは家の教会という小グループを組織して、伝道、牧会の機会を拡大し、教勢を発展させた。新たな教会設立の結果、平成十五年(二〇〇三)末現在で日本福音キリスト教会連合の教会は、札幌市内で一五教会を数え、教団別の教会数では日本基督教団の一七教会に次いでいる。このほかOMFの伝道によって設立された教会であっても、藤野福音キリスト教会などのように、超教派の協力関係を保持することを意図し、単立の教会として活動している教会もある。
 なお、OMFが昭和三十九年(一九六四)に設立した北海道聖書学院(現、白石区北郷)は、超教派の神学校として教職者の養成に当たってきた。設立四〇年の間に、約一三〇人の卒業生を宣教の拠点に送り出している。卒業生の赴任先は、日本福音キリスト教会連合の教会をはじめ全国に及んでいる。ほかにCFNJ(Christ For The Nations Japan)聖書学院が、六十年、札幌市内(現在は、石狩市花川)に開設されている。