史料2 寛保二年八月 乍恐以書付奉願候事

  恐れながら書付をもって願います事
 この度の大満水によって御城下の堤防が壊されたので、藩による工事を行うことになり、人足を出すように言われました。村に帰ってそのことを全ての百姓へ言い聞かせましたが、私たちの村は、田畑や家まで水が押し込み、全ての者が苦労しています。
 いまだに行き来する道や橋、石砂泥で押し潰された家など片付けることは、自分だけの力では出来ませんので、毎日人足を出して手伝っていますが、まったく解決せずひどく困っています。
 命じられました人足を背くわけではありませんが、他の村とは格段の違いがありますので、恐れながら御許しいただき御救いください。
 私たちの村は、他の村より人足を減らして命じるように御願いします。この段、山奉行様へもお願いいたします。御慈悲をもって御願いの通り命ぜられれば、村々全ての百姓の御救いとなり有難く存じます。
     寛保二年戌八月