『むしくら日記』は、元・亨・利・貞の4巻からなっています。元亨利貞(げんこうりてい)とは、『易経』にある語で、「元(おお)いに亨(とお)る、貞(ただ)しきに利あり」と読まれています。3巻本を上中下と称するように、4巻本を元亨利貞と名付けることがあるのです。
『むしくら日記』各巻の内容は豊富で多様ですが、おおむね次の通りです。
元
3月24日夜の地震発生直後から4月12日ころまで。
単に被害の状況だけではなく、洪水のうわさにおびえる人々の混乱なども記述してあるのが貴重です。
亨
4月13日の大洪水前後の状況。
利
4月13日の大洪水以後の状況。
ようやくまとまってきた被害状況。
貞
各地の被害状況のまとめ等。