松代案内 9 山寺常山邸
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松代藩の中級武士の代表的な家構えとセギが残る。江戸末期~明治初期建立の表門は長屋門形式、間口約二十二mで、現在松代城下に残る最大の門。渡り廊下でつながる書院は大正~昭和初期のもの。近代和風建築の傑作で「萬竹庵」の扁額がある。簡素な中にも力強さのある裏門も印象的。松代城下の代表的な風景として長野市が買い取って家屋を復元、屋敷内を公園化した。四季を彩る樹木や時代を経た美しい瓦などに配慮し整備。象山を借景とした庭園は、神田川の水を引き入れた池(泉水)と、下流の屋敷へと流れゆく清らかな泉水路。山寺常山(やまでらじょうざん)は、江戸後期から明治前期に活躍した儒学者・官吏。松代藩では、寺社奉行、郡奉行を務めた。藩主に従い江戸に出てから兵学、経学を学ぶ。松代藩では特に学問に秀でた藩士として、鎌原桐山(かんばらとうざん)・佐久間象山と並び「松代三山」、と呼ばれている。国登録有形文化財。国登録記念物(泉水、泉水路)。