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静岡県立豆陽中学校 米 山 太 郎 吉(注5)
小生は山林学校創設の翌年8月より明治41年の11月まて約
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7年に亘りて貴校に就職したるものにて、20周年を迎へたる今日より創業当時を追憶すれば万感交々(こもごも)至るものあるも、今や全く天下の山林学校たるの実を具ふるに至りたるは誠に慶賀に堪へざる所にて、在学生の已(すで)に全国的なるは勿論、其卒業生の全国・新領土に至るまで、普(あまね)く行渡りて盛んに且着実に活動しつゝあるは他の中等学校に余り類例を見ざる処と痛快に堪へざる次第なり。あはれ願はくは近き将来に於て名実共に国立学校たる日の到来せんことを切望して己まざるなり。 (大正10.5.20)