そのお坊さんこそ父である刈萱道心でした。 刈萱道心は石堂丸の身の上を聞きすぐに自分の子だと気づきましたが、出家をして修行中の身であることから、自分が父だと名乗ることができません。 石堂丸には「重氏という方はすでに亡くなっている」と告げ、早く母の元へ帰るよう諭します。 石堂丸が涙ながらに母の待つ宿へ戻ると、病気が悪化した母はすでにこの世の人ではありませんでした。