聖徳太子像

聖徳太子像


聖徳太子像(しょうとくたいしぞう)     [目録を見る]   [ 宝物解説へ ]
 聖徳太子は用明天皇の第二皇子。飛鳥時代に大陸から伝来した仏教の教義に深い理解を示し、これを通して国家の安定を祈願、その興隆に力を尽くした。後の時代には仏教保護者として宗派を越えて崇敬を集めるようになるが、とりわけ浄土真宗との関係は深い。太子建立とされる六角堂に宗祖・親鸞が参籠し、念仏専修の道を選んだと伝えられることから、浄土真宗の寺院では太子像を安置して祀るようになったといわれている。
 髪を美豆良(みずら)に結い、苞の上に袈裟を懸け、裙をつけて沓を履く太子が柄香炉を手にする本図は、「孝養図」の様式を示す。

(高田克宏)


【参考文献】『高岡の名宝展』高岡市美術館,平成21年(2009)