如専比丘尼真影(七代蓮誓室)(にょせんびくにしんえい) [目録を見る] [ 宝物解説へ ]
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軸付の墨書銘によれば、勝興寺第7代住職・蓮誓(1455~1521)の室・如専(?~1514)の肖像であり、両手に念珠をとり、墨の衣を着し、高麗縁の上畳に座す姿が描かれている。永正11年(1514)某月22日に往生したといわれ、裏書には同12年(1515)7月15日の日付と本願寺第9世・実如(1458~1525)の花押がある。
如専の父は、「安政三年勝興寺殿御由諸抜書」(『越中勝興寺伽藍』所収)によれば、前大納言持委(ママ)という。持委は、正親町持季(1414~67)とみられる。『系図纂要』には、宝徳3年(1451)に権大納言となり、文正2年(1467)に53にて出家とある。娘が一人いるが、右大臣信量室となっているので、如専とは別人である。
『真宗人名辞典』実玄(勝興寺第8代住職)の項には、如専を顕証寺兼誉(蓮淳/1464~1550)の娘とする。蓮淳(1464~1550)は、87歳の長命であったから、娘の没年をはるかに越えていても不思議はないが、実玄の室・妙勝は、顕証寺蓮淳の娘であるため、不審である。