本画 ⇔ 写生画
作品解説
日下八光〈阿南の海〉
1927(昭和2)年、絹本着色、165.0×175.0㎝、徳島県立近代美術館蔵
八光の故郷に近い、阿南市北の脇海岸付近を描いた28歳頃の作品です。東京で日本画の制作を続けていた画家が、帰郷の折りの写生を元にして制作しました。海や山々、そこで暮らす人々の暮らしを、美しい一枚の風景画にまとめています。
1927(昭和2)年、絹本着色、165.0×175.0㎝、徳島県立近代美術館蔵
八光の故郷に近い、阿南市北の脇海岸付近を描いた28歳頃の作品です。東京で日本画の制作を続けていた画家が、帰郷の折りの写生を元にして制作しました。海や山々、そこで暮らす人々の暮らしを、美しい一枚の風景画にまとめています。
作家紹介
日下八光【くさか・はっこう】
1899(明治32)-1996(平成8)年
現在の阿南市羽ノ浦町の生まれ。生涯にわたり、自然をまっすぐに見つめて風景画や花鳥画を多く描きました。また後半生には、九州や東北に残る装飾古墳の模写と研究に尽力しています。
1899(明治32)-1996(平成8)年
現在の阿南市羽ノ浦町の生まれ。生涯にわたり、自然をまっすぐに見つめて風景画や花鳥画を多く描きました。また後半生には、九州や東北に残る装飾古墳の模写と研究に尽力しています。
見どころ①画家の想いが見えてくる
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写生と本画を見比べてみましょう。本画では、画面上部の山を少し高くするなど、より印象的に見せています。山々や木々は、薄い絵具を塗り重ねた深みのある色彩です。ふるさとを美しく彩ろうとしたのでしょうか。そのようなところから、画家の想いが伝わってきます。
見どころ②新しく絵の世界をつくる
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写生よりも本画は、屋根の線がまっすぐに引かれています。壁の色も白く、整然とした印象です。しかし写生から想像すると、実際の家はいくらか古びたたたずまいだったのかもしれません。本画では、線を整理し彩色することで、絵の世界が新たにつくりだされています。
見どころ③ドラマが生まれる
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本画では、下絵にはない干物を干す人が小さく描き加えられています。また、ピンク色に咲く花は、写生と比べると明らかに数が増えていて華やかです。人物を描き、満開の花を強調することで、ゆったりした里の暮らしを理想郷のように表そうとしたのかもしれません。