平の渡し道標でもふれた、現昭島市大神町と八王子市平町を結んでいた渡し。
上流の拝島の渡しが開設される前からあった古い渡しで、『新編武蔵風土記稿』には「古は阿弥陀寺の辺より河原に出て、渡船をへて平村に達せし」と記述されています。つまり、古くは少し下流の宮沢村にあったようです。また、天正18年(1590)、八王子城を視察した徳川家康がここを渡って川越方面に向かったという伝承があります。
近代になると、渡しの運営は大神村が中心となり、実質は「大神の渡し」でした。平地区が成隣小学校学区域だった時期があり、当時の子ども達は船や板橋を使って通学しました。