解題・説明
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寛永4年8月9日と10月8日に大津(後に大洲と改称)を偵察した公儀隠密が、「探索書」に付属して作成した絵図。絵図は方位を九十度取り違えており、時計回りに九十度回転させると正確になる。「探索書」は本丸に四重の天守があると記すが、絵図では三重に見える。本丸、二の丸は、内部に入ることができなかったためか簡略な描写になっている。本丸の周囲が多門櫓となっていること、南(実際には西)の出入口には櫓門(暗り門)があったこと、内堀で囲われた二の丸の御殿や門の位置など、概ね正確に描いている。内堀と外堀に挟まれた空間が三の丸で、武家屋敷が配されていた。鍵の手に折れ曲がった形状をよく捉えている。
(伊予史談会:井上淳)
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