日吉町段丘の下部に、函館市街地高台から成る函館段丘がある。函館段丘の高度は、本町・杉並町の三角点や水準点によると、17、8メートルである。函館段丘の前面の段丘崖は、駒場町から湯川町に下る坂、柏木町から川原町に下る坂、梁川町から宮前町に下る坂、千代台町から新川町に下る坂、人見町から金堀町に下る坂等で表わされている。
国鉄五稜郭操車場の北に29.1メートル三角点を乗せる日吉町段丘堆積物を切って、標高15メートル余の段丘がある。これは函館段丘に対比されるもので、日吉町段丘堆積物を切って、極めて薄く、1.5センチメートル大以下の礫や砂より成る層が、ベニア的に乗っており、浸食段丘であることを示している。
長谷川 鈴木(1969)によると、函館市の市街地になっている平坦面は砂と泥から成り、この段丘上から縄文早期の土器が発見されているので、この段丘は少なくとも6,000年以前に形成されたものであるとし、沖積段丘と考えている。しかし、この段丘をただちに沖積段丘と考えるよりは、洪積段丘と考える方が妥当のように思われる。