館脇操は、森林樹種の分布から、石狩低地帯を境として北海道を大きく二分し、この地帯より北東部を、南樺太、南千島を含めて温帯より亜寒帯への移行地域と名付け、南西部は本州北部と共通した植物相が見られるので温帯系域とした。
また、河野広道は昭和8年、北海道に分布する蝶(ちょう)類を広く調査し、この低地帯をはさんで南西部には暖地棲(せい)種アサギマダラ、オオムラサキなど本州との共通種が多く、北東部には北方系の多いことを指摘した。また、この傾向は他の昆虫類にも当てはまるとし、虻(あぶ)類についても例示して境界線としての石狩低地帯を強調した。