現在の研究では、年ごとに新しい事実が発見され、時代区分もこれまでと変わった考え方をしなければならなくなってきた。本州では先史時代の始まりが前期旧石器時代にさかのぼるようになっているが、気候的に寒冷であったせいか北海道の先史時代の始まりは後期旧石期時代からである。函館市内には旧石器時代の遺跡がいまだ発見されておらず、現在のところ新石器時代になってからのもので、土器や磨製石器が登場する時代でもある。以前には新石器時代を縄文時代と呼んでいたが、新潟県、長崎県、愛媛県などでそれまでの縄文土器よりも古い時期の土器が現われ、この時期を草創期と呼ぶ向きもあるが、旧石器時代の石器組成とも関連があるため、晩期旧石器時代になって土器が出現すると考える人もいる。いずれにせよ縄文文化より古い時期にも土器が存在するし、縄文土器の古い時期の遺跡が函館付近には多いので、今後も更に古い時代の遺跡が発見される可能性はないといえない。
本州では縄文時代の次に弥生時代が続くのであるが、北海道には弥生時代という時代区分はなされていない。それは、本道には弥生文化とは異なった文化の時代が縄文時代に続くからである。