嘉兵衛の帰国

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 文化10年春、解氷期を待ってディアナ号カムチャツカを出帆、嘉兵衛、リコルド国後島に着いたのは5月26日であった。そこでリコルドは、嘉兵衛配下の水夫2名のみを上陸させ、嘉兵衛を、シベリア総督の弁明書を得るためにオホーツクに連行しようとしたが、嘉兵衛はこれをしりぞけ、自ら国後島に上陸して幕吏との折衝に当たり、絶えずその経過を艦上のリコルドに連絡した。