高田屋の不動院

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 高田屋嘉兵衛が信仰して、堂を再建した山ノ上新町の不動院は、もと神明社の修験が奉祀したもので、嘉兵衛は、わざわざ伊勢松阪から秀音という台密の僧を招いて別当とした。しかし闕(けつ)所のとき取払われ、本尊は松阪の来迎寺に移した。秀音は天保4年に没し墓は称名寺にある。