戸長役場の設置

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 函館が「区」になったとき、北海道で同時に「区」となったのは札幌のみで、その他は旧来の郡が復活した。函館近郊では亀田郡と上磯郡で1つの郡役所(亀田村に設置)が設けられ、郡長には開拓使2等属の広田千秋(月俸50円)が任命された。茅部郡と山越郡は森村に郡役所を置き、郡長には同じく開拓使2等属の雑賀重村(月俸50円)が任命された。ただし亀田上磯郡役所は、設置当初は亀田上磯茅部郡役所であった。14年7月に亀田郡に編入される子安、戸井、尻岸内椴法華の4村が茅部郡に属して、この郡役所所管となっていたためである。次いで函館支庁は、12年12月25日、町村に置かれることになった戸長を表2-46の通り配置した。
 なお、戸長という名称は大小区制(区務所の責任者)でも用いられた名称であったので、この度は「各町村戸長事務扱所ハ戸長役場ト称スヘシ」(『布類』上)との達書を出して、新しく設けられる戸長は、「戸長役場」にあって事務を執る者であることを示した。
 
表2-46 管内戸長配置表

郡名
人数
その後の増減
亀田
5人
13.2.25第18号布達 1人増
14.1.20第5号布達 1人増
上磯
6
茅部
9
14.3.31第21号布達 1人増
山越
2
福島
2
津軽
5
檜山
9
13.2.25第18号布達 1人減
13.6.23第47号布達 1人減
14.6.17第37号布達 3人減
爾志
6
14.6.17第37号布達 2人減
磯谷
2
歌棄
2
寿都
3
13.10.29第77号布達 1人増
島牧
2
瀬棚
2
13.9.15第68号布達 1人減
久遠
1
13.9.15第68号布達 1人増
太櫓
1
奥尻
1
函館区
0
13.6.23第47号布達 6人増

『開拓使事業報告布令類衆』上より作成