図10-2 12年大火直前の区内小学校分布状況
大火をはさんで、12年と14年の就学率を比較してみると、41.34パーセントから20.45パーセントへと約半分に減少している(『函館市史』統計史料編)。半減理由の第一が学校の焼失によることは明らかであるが、この就学率をさらに町別に比較してみたのが表10-6である。大火前後で街区改正があるため、便宜上戸長役場担当ブロックで区分し、焼失した常盤・松蔭・第一公立女・内澗各学校があったブロックだけを書き出したものだが、学校の焼失した区域での就学率の低下が一層顕著となり、特に常盤・松蔭両校とも焼失したⅠブロックでの減少が著しいことがわかる。なおこの地区に公立小学校が再興するのは15年のことだった。
表10-6 12年大火前後の町別就学率の比較
Ⅰブロック | Ⅱブロック | Ⅲブロック | ||||
会所・住吉学校 | ||||||
12 年 | 町 名 | 就学率 | 町 名 | 就学率 | 町 名 | 就学率 |
松蔭 片 船見 鍛冶 神明横 坂 常盤 梅枝 天神 山上 茶屋 | 72.72 13.33 0.00 20.58 0.00 28.57 40.90 42.85 28.40 29.67 21.05 | 会所 元 下大工 上大工 南新 汐見 相生 青柳 春日 尻沢辺 住吉 | 52.38 85.00 45.45 37.70 52.45 25.00 18.18 19.14 36.36 45.83 53.84 | 神明 仲 鰭横 鰪澗 弁天 西浜 大黒 大 仲浜 内澗 東浜 | 45.00 100.00 33.33 8.33 57.14 36.84 28.26 61.00 44.44 81.35 100.00 | |
芝居 上新 仲新 下新 元新 | 30.00 37.50 29.82 24.24 28.57 | 柳 浦 谷地頭 赤石 蔭 | 43.75 0.00 28.57 25.00 25.00 | (平均) 55.01 | ||
台 駒止 山背泊 | 7.69 8.43 30.43 | (平均) 40.65 | ||||
(平均) 24.46 | 12年の函館区の 就学率 41.34 | |||||
14 年 | 町名 | 就学率 | 町名 | 就学率 | 町名 | 就学率 |
富岡 船見 鍛冶 旅籠 天神 台 駒止 山背泊 | 12.50 1.50 17.74 9.24 4.96 0.00 0.00 208 | 会所 元 寿 曙 汐見 相生 青柳 春日 住吉 谷地頭 | 50.00 34.21 31.03 37.30 66.66 33.51 33.87 29.31 43.26 28.57 | 鰪澗 弁天 西浜 大黒 大 仲浜 幸 | 11.11 20.61 20.00 35.43 19.76 35.29 0.00 | |
(平均) 5.23 | (平均) 24.72 | |||||
14年の函館区の 就学率 20.45 | ||||||
(平均) 38.94 |
明治12年「学齢人員表」・明治14年「学齢人員調」(北海道立文書館所蔵)より作成
-で消してある学校は焼失学校を表わす