明治四年の『渡島統計 上』を参考にして亀田地域の主要作物を挙げてみると次のとおりである。
亀田村 麦、粟、稗、大豆、大根、五升芋(ばれいしょ)
鍛冶村 稗、粟、麦、大豆、小豆、蕎麦(そば)、大根、五升芋、茄子(なす)、胡瓜(きゅうり)
赤川村 稗、粟、五升芋、大豆、小豆
神山村 稗、粟、麦、蕎麦、大豆、小豆、大根、五升芋、角豆(ささげ)
桔梗村 粟、稗、麦、大豆
明治四年より十三年ころまでの間に亀田地域で主として作られていた農産物は大豆、蕎麦、小豆、粟、稗、馬鈴薯、大根などであるが、大豆、蕎麦、粟、稗などは江戸時代から村民の生活を支えるものとして作られて来たものであり、この時代にも農産物の中心となっている。また、大根、馬鈴薯は以前から換金作物として作られており、明治になってからは開拓使の奨励もあり、なお一層その産額を増す傾向にあった。大豆、蕎麦、粟、稗などは大部分が自村において消費されてしまうのに対して、大根、馬鈴薯、その他の野菜類からの収入は農家にとって重要な財源となっていたからである。