わが国最初の電話交換は明治二十三年十二月十六日、東京横浜間で開始された。
函館では明治三十一年十二月に会所町六四番地に煉瓦造り二階建て一二一平方メートルの電話交換局舎を建て、明治三十三年六月一日、全国で一五番目に交換電話開通式を行った。開通時の加入数は三二〇であったが、同年末には四三七を数えるに至った。これら加入者を職業別に見ると海産物商、運送業、米雑穀・肥料商などの順に多かった。町別では末広町五四、東浜町二九、大町二六、蓬来町一二、弁天町一一などは多い方で、一つもない町は春日町など九か町であった。