銭亀沢地区の西端の函館市高松町五一一番地に函館空港が開設されたのは、昭和三十六(一九六一)年である。同所には函館海洋気象台函館空港分室(同四十二年函館空港出張所と改称)が置かれ、同年十月から観測を開始した。以後、特に断らない限り銭亀沢の気象観測の記録として、昭和五十六年から平成二年の一〇年間の空港出張所(以下空港と略記す)の観測値を使用することとする。
そのほかの観測としては、函館東消防署古川出張所(古川町二一四番地)における降雨の観測があり、また、石崎漁業協同組合が戸井町小安港沖に設置した観測装置「マリダス」による海水温や気温の観測データがある。
比較に用いた函館海洋気象台(以下美原と略記す)の観測記録は、昭和三十六年から平成二年の三〇年間の平年値である。