主なる食素材の入手方法と利用

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 米は、一年間に食べる分を、イワシ粕や昆布、ワカメと交換して入手した。野菜は、畑を作り、大根・人参・ゴボウ・白菜など、すべて自給していた。果物は、山イチゴやグミ、スグリなどを、山からとってきて食べていた。
 魚介類の場合は、イワシ・ホッケ・サバなどは自給していたが、ニシン・サケなどは樺太千島で働き、もらってきていた。昆布、海藻類は、すべて自給自足である。
 肉はほとんど食べたことがなかった。とり肉などの肉類はゲラク(ギリヤーク人)の食べるものだといわれていたという。
 これらの食品の入手方法は、家によってかなり異なっており、昭和初期にすでに鶏を育ててその肉を食べていた家庭もあった。入手方法の地域差はないようである。
 現在の主要食品の入手方法はほとんどがスーパーや移動車スーパーからの購入となっている。ただし、野菜や昆布・海藻類は、一部自給もしている。表4・2・6に銭亀沢地区全体の主要食素材の自給率および購入率を示した。米、野菜類、昆布・海藻類の自給率は昭和初期に五〇パーセント以上であったものが、現在では一九パーセント以下に低下し、ほとんどが購入によっている。

表4・2・6 銭亀沢地区における主要食材料の入手方法