調査は昭和59年7月18、19日に全調査線を対象としたが、時化のために浅所の一部は8月6、7日に行った。さらに海藻の現存量の推移を知る目的で、昭和59年10月23、24日と昭和60年2月25〜28日に豊浦・大澗地区の3、8、12線、女那川地区の1、5、10線について同様な枠取り調査を行った。
ウニ類は殻径、全重量、年令、生殖巣重量を、海藻類は種別に分類して各々の湿重量を測った。なお、マコンブ、ミツイシコンブ、チガイソ、ガゴメ、アナメ、スジメについては個体数を数えるとともに葉長、葉幅、葉重量を測定した。但し、スジメとアナメは枠内で最大長の1個体を、チガイソとガゴメは上位5本を、マコンブとミツイシコンブは全個体について計測した。
この地区で採集された大型底生動物を表6−7に示すが、これは枠取り調査で採集されたもののみを対象とした。海藻についてみると、緑藻植物6属7種、褐藻植物17属20種、紅藻植物29属35種と被子植物1属1種の合計53属63種であった(表6−8)。
この他に無節石灰藻としてエゾイシゴロモ、ミヤべオコシ、イシノミモドキ属が分布している。豊浦地区の水深6、10.5メートルの天然石にはミヤべオコシが24.4〜61.2パーセント(平均44.5%)、エゾイシゴロモが3.5〜15.7パーセント(平均9.5%)の被度で着生していた。
表6-7 豊浦・大澗、女那川地区に出現した主な大型底生動物
表6-8 豊浦・大澗、女那川地区に出現した主な海藻