工藤町長は、平成16年(2004)3月、第1回恵山町議会定例会、町政執行方針の中で市町村合併について次のように述べている。
私の就任は一昨年の六月ですが、その時期を前後に市町村合併論議が大きなうねりとなって押し寄せてまいりました。当初、一部で“町長は市町村合併に対して何を考えているんだ”とのご批判がありましたが、私は町民にとって何が最善の道か模索してきたつもりであり、その選択肢の一つが『函館市・戸井町・恵山町・椴法華村・南茅部町』の一市四か町村の合併であります。勿論、合併によって長い歴史を持つ恵山町の名がなくなりますから逡巡がなかったと言えばウソになりますが、恵山町という冠がなくなっても恵山という地域が存続する以上、地域住民の生命と財産を守り、行政サービスを低下させず、如何に住民自治を保っていくかという命題に、市町村合併という論議を通じて取り組んでいかなければならないと考えてまいりました。
昨年(平成十五年十一月)行われました「市町村合併に関するアンケート調査(対象五市町村住民一万人)」恵山町の結果《積極的に進めていく必要がある四八・二%》《どちらかと言えば進めて必要がある三〇・六%》では、両者合わせて七八・八パーセントと合併推進に好意的な考え方が大きな比重を占めております。
私が町政を担ってから市町村合併の説明は三度目を数えます。今回はこれまでの経過、町議会での論議や任意・法定協議会等々の発足、議論を踏まえ、この五市町村の合併を成就させたいと一歩踏み込んで訴えてまいりました。この選択肢、五市町村の合併協議は町民の皆様から一定の理解を得てきているのではないか考えております。
工藤町長は、この町政執行方針で5市町村合併について、これまでの経過を説明し、町長としての真意を明確に表し、事実上の合併宣言をしたわけである。
以下、この5市町村合併について、行政として住民にどのような情報を提供し、また何を理解してもらおうとしたのか、その一端を『広報えさん』から拾ってみる。