(一)渡島山脈の地質構造と岩石の概要

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 渡島山脈は、尻岸内町の恵山(620米)を起点にして北西に走り、茅部郡と亀田郡の分水嶺を形成し、更に北走して茅部郡と檜山郡との境界をなす一連の山脈である。その北端は森町の毛無山(684米)狗神岳(ぐしんだけ)(899米)で終っている。その地質構造と岩石の概要は、大体次のようである。
 
 1、基底をなすものは古生層であり、粘板岩、石灰岩、変成岩などで、古生代の地層が各所に露出している。
 2、古生層の上層は、第三紀層で、灰色硅質頁岩(けいしつけつがん)、黒色硅質頁岩、頁岩、凝灰質砂岩、灰色粘土層、砂質粘土層、硅藻土、凝灰岩、角礫質頁岩などの堆積岩(水成岩)で、これらの地層が各所に露出している。
 3、前記の古生層或は第三紀層を貫ぬき、或は被覆(ひふく)して火成岩層がある。火成岩層には、安山岩類、流紋岩類、粗粒玄武岩(橄欖岩(かんらんがん)を含まないもの)玄武岩などが、広く分布している。
 4、第四紀層は主に砂礫から成っている。これは洪積期、沖積期の堆積物である。