九、汐苜燈台官舎の火事(大正四年)

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 大正四年一月二十三日、戸井村大字小安村字汐首の立待岬にある汐首燈台の看守上原平蔵方から出火し、官舎一棟四戸を全焼した。
 損害は建物三〇〇〇円、その他一六九〇円に達した。出火の原因は燈台看守上原平蔵が当夜飲酒泥酔(でいすい)して寝につき、枕元に置いていた台ランプを転覆(てんぷく)させたことからであった。
 上原は泥酔していたので、体の自由がきかず、逃げおくれて全身に大火傷を受けた。直ちに函館病院に入院させたが、翌朝手当の早斐もなく死亡した。
 この火事で、消防に努力した戸井消防組の第一部、第二部、第三部に対して、標識管理所長から、北海道庁長官を経由して、慰労金が下賜された。