[神社祭典の湯立式と松前神楽]

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 戸井町内六社の祭神と例祭日は次の通りである。
 
[戸井町内六社]
神社名祭神例祭日所在地摘要
原木稲荷神社倉稲魂令七月十一日原木
宮川神社大日霊貴命
宇迦魂命
九月十六日浜町昭和二十六年鎌歌
稲荷神社を合併
瀬田来稲荷神社倉稲魂命七月十二日瀬田来
汐首神社事代主命
(ことしろぬしのみこと)
七月十三日汐首
釜谷神社大己貴命
(おおなむちのみこと)
七月十四日釜谷
小安八幡神社誉田別命
(ほんだわけのみこと)
八月十五日小安

 
 太平洋戦争以前は、氏神様の例祭日は法令によって休日に定められ、学校や官公庁は休日になり、各学校では、早朝児童生徒を引率して、集団で参拝したものである。郷社、村社の例祭には町村長が供進使(ぐしんし)として、神官の服装で幣帛(へいはく)を捧げた。
 然し終戦後「国家神道の象徴である神社は、日本の軍国主義を育てた張本人である」という理由で、GHQ指令により、政治から切り離され、学校を始め公官庁は一切神社行事に関与することが禁止され、学校、官公庁にあった神棚の撤去を命じられた。
 終戦後の混乱期には、一時神社の例祭が中断されたこともあったが、世の中が落ち付くにつれて、氏子が主催して行うようになり、昔の姿に復活して今日に及んでいる。
 戸井町内六社の例祭にも、古式通りの湯立(ゆだて)式が行われ、宵宮祭と本祭には、昔から連綿として伝承されて来た松前神楽が神前に奉納される。伝統の古い湯立式や無形文化財に指定されている松前神楽を毎年見ることのできる道南の人々は幸せである。
 湯立式の由来と順序、松前神楽の舞の名称及びその象徴するものの概要を解説して見たい。