[郵便局の沿革]

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 我が国に郵便制度が採用されたのは、明治四年三月一日で、この時は東京・大阪間に新式郵便制度が採用され、東京・京都・大阪および東海道各駅に、郵便区役所および郵便取扱所が設置された。この三月一日は大陽暦では四月二〇日に当っていたので、後にこの日が逓信記念日と定められた。
 この制度を採用したのが時の駅逓権正(えきていごんのしょう)、前島密(ひそか)であった。前島は、当時イギリスに留学中であったが、明治四年四月帰朝して駅逓頭(えきていのかみ)に任ぜられ、留学中の経験と知識によってこの制度を育てることに専念した。五月一日には書留郵便の取扱いが開始され、三月には海外郵便手続が制定され、創業僅か一年余りで、早くも外国郵便取扱いのきっかけをつくり、明治五年七月には北海道の一部を除いて、全国に郵便局が開設され、明治六年四月には国民待望の全国均一料金制が実施された。
 本町の戸井郵便局の前身戸井郵便取扱所が開設されたのが明治八年(一八七五)三月一八日であるので、全国に郵便局が開設された明治五年から遅れること僅か三年である。
 道南としても開局の早い方である。尻岸内町で最も開局の早い大澗郵便局の前身尻岸内郵便局は明治一〇年一一月一日の開局であるので、尻岸内郵便局よりも二年七ヶ月早いわけである。
 本町各郵便局の沿革概要は次の通りである。