椴法華学校設立願い

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 前にも記したように明治八年頃からあった小学校設立の願いは、村民有志の努力もありやがて明治十二年に至り機が熟し、明治十三年四月を以て椴法華学校を開校する計画となった。このため椴法華村では教員派出願い及び学校設立願いを開拓使札幌本庁の学務係に提出し、認可を受けいよいよ明治十三年四月より開校することになった。
 次にこの時、開拓使学務係に提出された書類が残されているので概略を記すことにする。
 
   明治十二年 学校設立願(民事課)(北海道蔵)
      学務係
 
     教員派出願
   今般當村ニ公立小学校設立相成候ニ付教員ノ義ハ素ヨリ其給料等當村ニ於テ可相弁ハ勿論之事ニ有之候得共未タ諸事
  不整頓之場合ニ御座候間當分之處教員壱名官費派出相成候様被成下度此段奉願候也
        渡島茅部郡〓(ママ)法花村
                         総代
    明治十二年八月                  越崎 與作印
                             佐々木 弥三郎印
                         副戸長
                             飯田 東一郎印
   開拓使大書記官時任為基殿
 
  (朱)第百九十七号
  (朱)願之趣聞届候事
 
   (朱)明治十二年十一月七日
 
   (朱)民第
   (朱)三千百九十五号ノ別紙
 
    公立小学校設立伺
 一、学校設置  渡島茅部椴法華番外地
 一、敷地坪数  貳拾五坪但當村戸佐長右衛門所有地     下げ札
 一、建家坪数  拾五坪
  右新築畫圖及其費用ニ係ル村内寄付金別冊ノ通
 一、校名  〓(ママ)法花学校
 一、生徒   貳拾名
 一、教員   壱名
 一、書籍及器械
   右品名員数並代價別冊ノ通
 一、学資出納概額
   當費概額   [一ヵ月金五円六拾銭一ヵ年金六拾七円廿銭]
   (中略)
 一、収入概額
    内譯
   生徒授業料  [一ヵ月金二円五十銭一ヵ年金三拾円]但[生徒壱名ニ付一ヵ月平均拾二銭五厘]
   村内戸賦金  [一ヵ月金五円六十銭一ヵ年金六十七円廿銭]
  右村内戸賦金(常費金ノ割)別冊ノ通
    右出納差引残金アレハ学校保護ノ為メ蓄積ノ筈不足ヲ生シ候節ハ尚村内協議ヲ遂ケ集金ノ筈
  前条ノ適當村内協議ノ上教則校則等ハ御規則ヲ遵守設立仕度此段相伺候也。
                         渡島茅部椴法華村総代
                             越崎与作印
                             佐々木弥三郎印
                         学事取締
                             山根吉三司
                           代印 平沼八右衛門印
                             佐藤仙之助印
                         副戸長
                             飯田東一郎
   開拓使大書記官時任為基殿
   (朱)第百九十六号
    (朱)伺之通
   (朱)明治十二年十一月七日
   (下げ札)
    茅部郡椴法花村
       椴法花学校
   十二年十一月七日開設許可