椴法華消防組
このほかにも消防手の技術の向上を図るべく講習会を開催し、さらに村民に対する啓蒙宣伝を積極的に行うようになっていった。
これらの運動の現われとして、まず大正時代の末ごろ火防宣伝のために、小学生が通学の往復に旗を持ち歌を唄いながら歩くことが行われた。
一、
時は大正十二年五月二日の朝まだき
警鐘乱打に目を覚し
見れば火焰天をつき
三十六戸を嘗めつくす
十数万円灰となる
火をば粗末にあつかうな
二、
地震・雷・火事・おやじ
別(ワ)けても火事は恐ろしい
先祖代々骨折って
溜めた苦心の財産も
瞬くひまに灰となる
げに恐ろしきは火事なるぞ
この歌の作詞者は函館の松田昇で椴法華村へ火防宣伝のため来村した時、この歌を奥方に唄わせ大いに宣伝したものであるといわれている。