昭和十三年十二月十一日 函館日日新聞
機船大安丸漂流
漁船に救助される
茅部郡尾札部村字木直大杉藤治所有發動機大安丸(一〇三噸)は九日午後六時ごろ鰮(いわし)漁業のため出漁中大間岬-惠山沖合で暴風に遭ひ激浪に奔弄されて危險に瀕したので陸路に向け救助を求めつゝあるのを錢亀澤無線局で發見、附近航行中の船舶に救助手配を發したが十日朝椴法華村の漁船が出動乗組員四名を救助し尚漁船の救助作業中である旨函館水上署へ入電あった。遭難するや乗組員は錨を下して船體を抛棄(ほうき)し勇敢にも海中に飛び込んで救助を求めてゐたと