仕切りには、鯣一俵皆掛(みながけ)の重量から風袋を引き入目を引き正味の重量を記し、その値段を示している。この代金から口銭・運賃・諸掛り・為替料を差し引いている。
同年春の塩鱒の仕切書は、入目(いれめ)を引き、魚の傷(いたみ)を引いている。艀(はしけ)料・引取荷渡貫々(ひきとりにわたしかんかん)料などの諸掛は、すべて生産者である漁家が負担した。
干スルメの仕切 大正13年 熊谷勇二所蔵
(その一) 郵便はがき
茅部郡臼尻村
〓 熊 谷 様 (宛)
函館 豊川町三十六番地
〓徳田 (差出)
十月廿五日 西久丸入
乾 鯣 上々 壱 俵
皆掛二拾七貫九百匁
内一〆五百五十匁風袋引
〃六百五十八匁 入目引
正味 壱百六十斤五七五
値段四十三円替
代金六拾九円〇四銭
内金弐円〇七銭 口銭
〃 七十銭 運賃
〃 五十五銭 諸掛り
〃 弐十銭 為替
割印 差引金六拾五円五拾弐銭也
大正拾参年拾月廿六日
出荷案内(はがき) 熊谷 勇二所蔵
(その二)
出 荷 案 内 大正拾参年拾月丗日
(朱)引合 四円四拾銭 建莚 壱束
引合 弐円弐拾四銭 三ト五十斤壱
引合 四円四拾銭 石油 壱缶
引合 参拾六円
大正拾参年十一月壱日 白米 弐
大正拾参年十一月弐日
出 荷 案 内
大正拾参年十一月弐日
(朱)引合 四円参拾銭 カーバイト 壱缶
(朱)干賜 極上品 四十六円御座候也
塩鱒の仕切書 伊藤 金作所蔵
(その三) 函館市豊川町
海産物産委託問屋 合資会社 〓橋本商店 ㊞
電話六六六番
電話二五二五番
電略(一)又ハ(ハシ)
林 辰 三 郎 様
第二〇一號
仕 切 書
五月四日 共益丸入り
塩 鱒 壱 函
皆掛 七〆九百〆
壱百五拾八〆 入目引
壱百五拾四〆 傷 引
正味 七貫五百八十八〆
直段 六〇〇替
代金拾弐円六拾四銭
内金参拾壱銭 手数料
金参拾銭 運賃艀
金拾銭 引取荷渡貫々
計金七拾壱銭
差引 金拾壱円九拾三銭
右之通り御座候也
大正拾参年五月六日