同一一年八月一六日、川汲山道期成同盟の総会で開削の促進を決議した。
大正一二年四月二〇日、川汲山道開削工事の一期工事七七、八〇〇円で落札し工事に着手。
大正一四年九月二二日、川汲山道開通奉告祭が執行され、一〇月一日工事竣工。一一月、湯川〓藤野自動車部が乗合自動車の運行を開始した。
老若男女、どんなにか時代の進歩を喜び合ったかしれない。しかし、村の人々は、この便利な山道の自動車に余程のことがないと乗らなかった。鰊場へ行く人も、商用の人々も、昔のように二本の足で小さな荷を背負って函館まで歩いて行き、歩いて帰ったという。
沿岸は昆布礁の復旧、イワシの豊況で賑わった時代である。
川汲山道開削工事 大正13年 竹中家所蔵
川汲山道開通式における感謝状 西谷定二所蔵