目次
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新編弘前市史 通史編1(古代・中世)
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第5章 中世後期
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第三節 南北交易と「境界地域」津軽
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三 中世の道具と生産
農の道具
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農業生産に欠かせない道具として鋤・鍬・鎌、そしてそれらを研ぐための砥石がある。
中崎館
では鍬先や鎌、
境関館
では鎌、
堀越城
では鍬の木製柄の部分や横杵(よこきね)(砧(きぬた))・槌(つち)が出土している。
境関館
で出土した鎌には直線刃のタイプが一点(図53-1)と曲線刃のタイプが二点(図53-2・3)出土しており、前者は木製の柄も付属している。刈り取るものによって使い分けていたものと考えられる。
中崎館
でも曲線刃の例があり古代の形態に近い。鎌を研ぐ砥石は、面が曲線状にえぐれた状態になることからわかりやすく、
境関館
では約半数がこの手の砥石である(図53-4~6)。
図53
境関館
出土の鎌と砥石