円明寺(えんみょうじ)は、明応八年(一四九九)、念西房宗慶が油川(現青森市)に創建した。宗慶は源三位頼政の子孫で下間右近佐宗時といい、本願寺九世実如について出家し、辺境への布教に赴き、油川に至った。
九世頼英は天正十三年(一五八五)、為信が油川城主奥瀬善九郎を攻撃する時に城下に火を放って味方し、落城に導いた。為信は慶長七年(一六〇二)、寺領二四石余、同九年一三石余、合わせて三七石余を寄進し、同十年に弘前へ移転させた(同前No.四〇九)。慶安二年(一六四九)、元寺町において類焼し、翌三年新寺町へ移った。